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までドウゾ!

引っ越しの関係で「深い地層」に眠っていた昔使ったカメラが発掘されて、そぞろ懐かしく感じるのは、一つには年のせいで昔を回顧することもありましょうが、デジタルカメラが実用機という時代になってしまうと、逆にフィルムを使うカメラは、その準備段階でその撮影への決意とでも言える覚悟をフィルム装填時に感じるわけで、それはフィルムのカメラが当然であった当時は何とも感じなかった点なのですが、さて、趣味としてフィルムを装填するカメラという存在感であらためて、昔愛用のカメラを目の前に置いてみると、これはこれでなかなか感じの良いものです。

以前にも書いたことがありますが、中判カメラの良さは「スナップの35ミリカメラ」と「凝視の大型カメラ」のちょうど中間点の存在ということにその魅力があるわけで、それが「ゆっくり撮影しつつそこそこに速く撮れる」という、ミドルフォーマットのどっちつかずの中途半端な存在なわけですが、それを発想の転換で欠点を長所に変換してしまうのも、カメラの達人の立派な思いこみということになります。

中判カメラと言えば、6X6サイズでそれも舶来品のハッセルか、ローライか、という中判30年戦争もその後に登場のニッポン製のセミ判カメラの全盛時期があり、加えて、プロの仕事では4X5サイズの大判という鉄則も、印刷技術の飛躍的な向上によって、最初からセミ判で撮影して何ら不都合がないという時代になりました。
わが家に取材に来る、若いカメラマンさんの機材を見ていても、その変化は顕著で以前はペンタックス67とかマミヤRZであったのが、最近ではマミヤのセミ判です。
以前なら定年退職後の日曜カメラマンの機材というのが、セミ判一眼レフのクラス分けであったのが、今は立派なプロ機材となりました。

そうなると、6X6版以上のフォーマット、つまり6X7とか6X8,さらに6X9とかは退役なのかと言えば、そうではなくて今まで4X5を使っていた連中が楽だ、と言うのでそういうフォーマットで仕事をするようになりました。
撮影して見れば分かることですが、4X5のカットフィルムというのは装填が面倒だし、テストやら本番やらで手のかかるフィルムですが、それなら扱いの簡単な120か220のロールフィルムを使い、最初から露光をシフトして撮影しておけば、同じ手間であるという、これは合理的な考えです。

グラフレックスXLはシンガーグラフレックス社(そう、あのミシンのシンガーです)が60年代半ばに登場させた中判のコンポーネントカメラシステムで3種類のボデイ、5種類のレンズ、さらに10種類以上のフィルムバックを組み合わせて、300通りだからの「個性的なあなただけのカメラ」が組み上げられるというのが広告の文句でした。
もとよりこれは「宣伝文句」ですから、普通のカメラマンの好むレンズとボデイとフィルムバックの組み合わせにはそんなに突飛なモノがある筈もなく、普通なレンジファインダー付きのボデイにプラナー80ミリF2,8の標準レンズ、さらにフィルムバックは6X7か6X9を付けるというのが、まあ普通の組み合わせでしょう。
この企画はアメリカで大当たりして、軍用から政府の公式カメラまでグラフレックスXLは採用されることになりました。
先週の土曜の夕刻、珍しくにわかの村雨にあって、場所は銀座で目の前がスキヤカメラだったので、そこに飛び込んで白雨をやり過ごしている間だに購入したのが、そのグラフレックスXLにプラナー80ミリ付きでした。
帝国ホテルのツインルームで一泊して、ちょっと豪華な朝食を摂った位の価格ですから、実に良心的な値段です。
最近ではこの6X9サイズのライカ(なにしろRF機でブライトフレーム内蔵のファインダーですから)で、新居のベランダから眼下の中央大橋を撮影しています。まあ、これなどは雨宿りで手にいれたカメラというわけです。

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